フェレットの三大疾患の1つ。
副腎は体内に2箇所ある。右の副腎は血管にかなり近いため、もしこの右側の副腎に腫瘍が疑われた際に外科手術で取り除くにはそれなりの知識と経験をもった獣医師に任せる必要がある。誤って血管を切ってしまえば命に関わるためだ。
症状: 毛が薄くなる。特にシッポの薄毛が最初に目立つ。脱毛ではなく、新しい毛が生えてこないまま古い毛が抜け落ちていくことによりどんどん毛が薄くなって脱毛のように見える症状である。 皮膚病の症状がない場合の薄毛は、まずこの病気を疑う必要がある。
診断: 触診、超音波検査。左右の副腎の大きさを見る。開腹手術をして副腎の色を確かめることもある。
予防: 今のところ有効な予防策はない。
原因: 定かではない。一説には、早期の避妊・去勢手術や人口の光によって体内のホルモンバランスが崩れるとされているが、これも確率の問題で100%正しい説とは言えない。
処置: 外科処置と内科処置が考えられる。外科処置としては開腹して実際の副腎の色や大きさを確認し、腫瘍が認められれば摘出する。これにより腫瘍細胞そのものを取り除くのでその後の症状はなくなる。しかし臓器を1つ取り除くのであるからそれに伴うリスクも当然考えられる。
内科処置としては一般的なのはリュープリンを注射で投薬すること。睡眠に関わる神経に訴えるメラトニン治療も考えられる。 リュープリン治療は月に1度の注射を一生涯続ける必要がある。
【管理者の個人的な意見・経験】 左副腎腫瘍が発見された際に、すぐに摘出手術を行った。その後1年は安定したものの、シッポの薄毛の症状が見られた。触診・超音波(後に開腹)検査をするものの、副腎の色も大きさも変わらず。薄毛の原因を知るためにあえてリュープリンを3ヶ月(3回)打ったところ毛が生え始めた。リュープリンが効いた=副腎腫瘍ということになり、現在は右副腎腫瘍の治療のため月に1度のリュープリン治療を継続中。 |