フェレットの里親里子、迷子・保護情報、健康日記に検査結果を記録。まにあっくな飼い主のための参加型フェレット情報サイト

会員情報  
ゆえさん
メッセージを送る
最新の日記  
3月27日 りんどう湖LAKE VIEWにフェレットが入れる日
3月30日 いたちのお姉ちゃま
12月3日 いたちは秋が似合う
6月1日 いたちとボタニカルガーデン
5月24日 お馬さんといたち姫
月別アーカイブ  
2017年3月
2015年3月
2014年12月
2014年6月
2014年5月
2013年11月
2013年10月
2013年5月
2013年2月
2012年2月
2012年1月
2011年12月
2011年11月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
2010年12月
2010年9月
2010年6月
2009年9月
2009年8月
2009年4月
2008年12月

 

 

 

 

 

 

     
ゆえさんの日記
日時 2011年4月4日
タイトル 三週間が過ぎて
内容

少しずつもとの生活が戻ってきて、ふとあの日のことを思い出します。

************************

3月11日 金曜日 卒業式 当日

早朝5時
薄暗いうちに飛び起きて、ゼロとノーラにミルクをあげて、すぐに近くの美容室へ。
卒業証書授与の補佐役としてステージへ上がる為、着物と袴を着て、髪を綺麗に結い上げてもらう。


髪飾り派手すぎないかな
着物この色で良いかな
壇上では泣かないようにしなきゃ

その日はそんな風に始まった。

美容室から出ると、空はどこまでも美しく晴れ渡り、その青さに、もう涙がこぼれそうだった。


卒業証書授与が始まると、すぐに驚くべきことが起きた。

まじめでおとなしく普段から感情の起伏を見せない男子生徒が、証書授与の前に突然振り返った。

「○○先生、3年間ありがとうございました!」

その言葉に、担任の目から涙があふれた。

彼に続いて、100人以上の生徒全員が先生への感謝の言葉を述べはじめた。

「ありがとう」

「迷惑ばかりかけてすみませんでした」

「先生、大好きです」

「もっと一緒にいたかった」


先生方と戦ってばかりいたアイツも。保健室で泣いてばかりいたアノ子も。

学年主任が泣き出した。生徒指導主事も泣き出した。そして、会場中が泣き出した。

校長先生まで言葉につまり、式は一向に進まない。でも、誰も文句は言わなかった。もっと、もっと彼らの声を聞きたかった。

私は、一人一人の言葉を噛みしめ、涙をこらえる瞳を見つめ、たくましくなった背中を見送った。

式が終わり、屋上のベルが鳴った。
1年に一度しか鳴らないさよならベルが、突き抜けるような青空に響きわたった。


めんこい生徒達が去っていった。


職員室にもどって一息ついて、着物から私服に着替えて、もう一度体育館へ行ってみた。
誰もいなくなった壇上を見つめる。

主任が言った「良い式だったな」

「そうですね」


そのときだった。

視界が ぐらり と大きく揺れた。

ドンっと大きな音がして、水銀灯が落ちそうなほど振れた。
バスケットゴールがギィギィときしみ、天井のパネルが落下した。

立っていることが出来ず、その場にしゃがみ込む。
机の下に隠れるなんて意味がない。体育館中の机はばたばたと倒れた。

どこかで、ゴゴゴゴと地鳴りが響く。

揺れはいつまで経っても治まらない。弱くなったと思えばすぐにまた強くなる。

立てるくらいの強さになったところで、すぐに外に飛び出した。

そとでは、さっき止めたはずのベルが高らかに鳴っていた。
校庭を見て愕然とした。地割れが起き、坂が崩れている。




今までの地震とは違う。
何か大変なことが起きる。

全身に寒気が走った。

気がつけば、さっきまであれほど晴れ渡っていた空から雨粒が落ち始めている。遠くで雷が鳴る音が聞こえた。

町中の道路がゆがみ、マンホールが飛び出して水があふれていた。
信号はことごとく止まり、大通りに出ることも出来ない。
踏切の遮断機が上がらず、何度も道を変えた。



時間ばかりが過ぎ、家には一向につかない。
唯一繋がったメールで、婚約者とゼロとノーラの無事だけは確認して、ほっと胸をなで下ろす。

帰り着くと、家の中はめちゃめちゃだった。
大きな余震が何度も続く。その日は、彼とゼロとノーラと一緒に車の中で夜を明かすことにした。

日が暮れても、お腹が減らない。
ただひたすら、ナビの映りの悪いテレビでニュースを確認し続ける。

宮城県沿岸部が津波にのまれた。
沿岸部出身の幾人かの同僚の顔が浮かび、心配でケータイを手にする。
しかし、もはや誰にも繋がらない。

か細い三日月もすでに沈み、あたりは本当に真っ暗になった。
明かりのついている家は無く、この世に私たちしかいないのではと思うほど、静まりかえっていた。

2年前に亡くなったジャックの遺骨を抱きしめて、少しだけ眠る。

『ジャック、みんなを守ってね。そっちに行ったら追い返してね…』

目が覚めるとすぐに新しいニュース。

茨城、長野でも大地震
石油コンビナート炎上

燃えさかるコンビナートの赤い光が、真っ暗な車内を照らす。


溜まらなくなってエンジンを切り、屋外へ出る。
あまりの寒さに身を震わせながら、空を見上げる

春の星座が地球を見下ろしていた。
宮城では見たことが無いほどの美しい星空に流れ星が走った。

何を願えばいいのか分からなかった。
星空を初めて怖いと思った。

生徒達は無事だろうか。
明日はちゃんと来るのだろうか。
不安だけが長い長い夜を埋め尽くしていった。

************************

あの日を思うと、今は不便でも天国です。
まだまだ地獄の中に居る人もいる。
私の幼なじみも家も家族も失いました。

沢山の誰かのために、私も何かしないとと気持ちばかり焦ります。

設定 公開範囲 : 会員のみに公開
書込制限 : 全て受付
コメント承認 : フリー制
View Count 2557

★ ★ ★
 
 

 

 

 

Copyright (C) 2008 Ferretalk All Rights Reserved.